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▲ 保渡田八幡塚古墳(高崎市)で  毎年秋に開催される「王の儀式」の再現劇③ 動物埴輪 動物埴輪は、当時いた全ての動物が表現されているの▲ 保渡田八幡塚古墳(高崎市)  写真手前の区画には、54体の埴輪で7つのシーンが表現されている。18 円筒埴輪の出現から約200年後の5世紀中頃になると、動物埴輪と人物埴輪が登場する。それらは1体で存在したのではなく、行列する姿や群像として並べられており、王の葬送儀礼や生前に行った儀式の様子を表していると考えられている。ではなく、狩りの場面で人を助ける犬や、獲物となる猪や鹿など、古墳に埋葬された王に関わる動物たちが表現された。 その中でも、群馬県内で最も多いのが馬だ。馬の埴輪がなぜたくさん作られたのかについては、P.24 で見てみよう。 高崎市の保渡田八幡塚古墳(P.39)からは、たくさんの動物埴輪が出土しており、猪狩りや鷹狩り、鵜飼いが行われていたことを示す埴輪もある。たかういのしし琴弾き、狩人、力士、農夫、馬子など、王の行った儀式に関係した人物が作られた。 高崎市の綿貫観音山古墳(P.49)では、王や巫女などによる王位継承の儀式や、武人や武具、飾り馬と馬子などを並べ、王の所持する財物を誇示するシーンが見られる。 また、保渡田八幡塚古墳でも、同様のシーンが表されている。いずれも、埋葬された王の生前の活躍ぶりや財力の大きさを示すものとなっている。ま ごこ じ赤い傘の下にいるのが王様かな?そうそう ぎ れい第2章 日本一の埴輪王国ぐんまを探検するⓜ 埴輪 犬(伊勢崎市、上武士天神山古墳)ⓝ 猪形埴輪(高崎市、保渡田Ⅶ遺跡)ⓞ 鹿形埴輪(高崎市、太子塚古墳)ⓟ 鵜形埴輪(高崎市、保渡田八幡塚古墳)ⓠ 大刀を持つ巫女(太田市、塚■り古墳群第4号古墳)▲ 綿貫観音山古墳(高崎市)出土の埴輪群像  王が生前に行った儀式の様子を表している。▲ 小さい古墳ながら充実した埴輪が出土した塚■り古墳群第4号古墳(太田市)の埴輪配列ⓡ 琴をひく男子(高崎市、太子塚古墳)ⓣ 両手を腰にあてる振り分け髪の男(高崎市、綿貫観音山古墳)ⓢ 盾持ち人(太田市藪塚町)④ 人物埴輪 人物埴輪でも、動物埴輪と同じく、王や巫女、武人、動画形象埴輪その2

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