4こ 古墳時代の人々の服装は、群馬県内から数多く出土する人物埴輪からある程度知ることができる。ただし、ほとんどが豪族やその家来たちの姿であり、庶民は少し違っていたのかもしれない。て紐でくくって留めた「みずら」という髪型だった。女性は頭の上で髪の毛を1つにまとめた「島田髷」のように結っていたようで、髪をリボンのような紐や櫛、かんざしで留めるときもあったようだ。ひもしょみんしま だ まげくしま ごてんじんふた ご で留めていた。男性は下衣にズボンのような、比較的ゆったりとした袴をはいていた。祭祀をつかさどる女性は上着の上から、肩から細長い布をたすきのようにかけ、下はスカートのようなものをはいていた。をまねた腕輪、歩揺と言われる金色の飾り、金色の冠、沓といった身に付けるものが出土品からわかっている。耳飾りは、耳たぶにはめ込むような形のものが縄文時代にはあって、弥生時代にはなくなる。古墳時代に、耳たぶにぶら下げるような新しい形のものが朝鮮半島から伝わっしょうちょうてきた。こうした装身具のほとんどは、豪族が権威の象徴として身につけたものと思われる。はかまさい しまがたまくだたまうで わほ ようかんむりくつごうぞくけん いいしくしろけんざきながとろ第2章 日本一の埴輪王国ぐんまを探検する19▲ 跪坐の男(太田市、 塚■り古墳群第4号古墳)き ざふんしまだ▲ 男子埴輪(富岡市、 富岡5号古墳)▲ 正座し祭具を捧げる巫女 (高崎市、綿貫観音山古墳)▲ 馬子(高崎市、 綿貫観音山古墳)▲ 女子埴輪 (館林市、天神二子古墳)▲ 男性の服装(正装)▲ 装身具 勾玉(県内古墳・遺跡出土)▲ 装身具 管玉(県内古墳・遺跡出土)▲ 装身具 石釧(腕輪) (太田市、 矢場薬師塚古墳)▲ 女性(巫女)の服装(正装)金製耳飾り▶(高崎市、剣崎長■西遺跡)① ヘアスタイル 男性は髪の毛を耳の前のあたりで両方に2つにまとめア)身分の低い男性の儀式の髪型 《上げみずら》イ)身分の高い男性の儀式の髪型 《下げみずら》ウ)女性の髪型 《古墳島田》② 服装 男性も女性も、上衣は左前に布を合わせ、その端を紐③ アクセサリー 首飾りに使われた勾玉、管玉などの玉類、貝のかたちファッショナブルな古墳人埴輪から読み解く当時のファッション
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