132 平成30年に本県出土埴輪の人気投票「群馬HANI-1グランプリ」が行われ、全国から約6万票もの投票があり、大いに盛り上がった。ダウンロードはこちら⬇ 塚廻り古墳群第4号古墳(太田市)から出土した埴輪で、土下座をして謝っているような、非常に珍しい男子埴輪がある。この姿は土下座ではなく、つま先を立てた「跪坐」という姿勢で、目の前の王に対して敬礼している様子を表している。王を見つめる表情やピシッとした姿勢からは、その場の緊張感が感じられる。職人の中でも腕のいい名人級の人が作ったものだろう。 埴輪は、古墳に並べることを目的として作られたものだが、遺体を納める棺としても利用された。埴輪棺は、王の埋葬された古墳近くに臣下の者を埋葬するものとして使われることが多く、この太田市の亀山京塚古墳から出土した埴輪棺も、墳丘の裾部分から見つかっている。2本の埴輪棺をつなげて遺体を納めた後、キノコ形の埴輪片で口や穴をふさいで使われたと考えられている。きざ 狩りの対象だった鹿や猪を表した埴輪には、流血表現のあるリアルなものがある。下の太子塚古墳(高崎市)から出土した鹿形埴輪にも、よく見ると、狩人が放った鏃(矢の先のとがった部分)の下に血が滴っている。ちなみに、狩りといっても、王の趣味というわけではなく、神意を占ったり、支配する領域を主張したりするなどの意味があったと考えられている。したた後ろ髪は長く垂らして埴輪がこんな形で利用されたとは!いるよ矢が刺さって痛そうだね!第2章 日本一の埴輪王国ぐんまを探検する23◀ 跪坐の男子(太田市、塚■り古墳群第4号古墳)◀ 埴輪棺(太田市、亀山京塚古墳)◀ 鹿形埴輪(高崎市、太子塚古墳) 今、この時出場した埴輪100体を育てて王様気分で古墳に並べられる「群馬HANI-アプリ」が公開されている。ダウンロードして埴輪について楽しく学ぼう!ひつぎ埴輪が土下座 !?棺としても使われた !?鹿や猪が流血 !?●「しらべるHANI−図鑑」※県内から出土した埴輪を中心に245体を紹介するウェブサイト。50体は3Dデータも掲載群馬の人気はにわを育てよう!もっと詳しく知りたい人におすすめ!●「HANI−本」(税込990円)※群馬県内一部書店のほか、県庁県民センター、 ぐんまちゃん家、県立歴史博物館等で購入可能
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