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わたぬきかんのんやまはにわき しょうゆう い せいかなめふくそうひんよろい01 古墳時代を中心に、現在の関東地方で栄えた文化を「東国文化」といいます。 当時の日本列島は近畿地方が政治・経済・文化の中心地でしたが、その頃の群馬は、ヤマト王権が列島統一のために最も重視した東国の地域で、東日本をリードする先進地域へと成長しました。 群馬が重視された背景には、地理的な優位性がありました。馬による交通が発達し始めた古墳時代、群馬は日本列島の西と東をつなぐ交通の要となります。こうして、ヤマト王権と強く結ばれた群馬には、東アジアの先進技術や文化がいち早く伝来しました。新たに国宝となった綿貫観音山古墳のきらびやかな副葬品の数々も、その交流を示す貴重な文化財です。 また、群馬は、かつて13,000基を超える古墳が存在した「東日本最大の古墳県」であり、埴輪として日本初の国宝となった武人埴輪をはじめ、質・量ともに日本一の「埴輪王国」でもあります。近年、世紀の大発見と言われた「甲を着た古墳人」の発掘などにより、世界的にも希少な「榛名山噴火関連遺跡」も注目を集めています。  この本を読み、数々の遺跡や古墳・埴輪の紹介を通して、古代群馬の果たした大きな役割を知ってもらいたいと思います。そして、皆さんには「ふるさと群馬」の誇りを抱いていただきたいと願っています。はじめに

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