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6世紀4世紀Point1Point2Point3 前橋市山王町にある、全長約53mの前方後円墳。朝倉・広瀬古墳群の南部に位置し、6世紀後半(古墳時代後期)に造られたと考えられている。 出土遺物に円筒埴輪や人物などの埴輪、武具、馬具などがあるが、なかでも古墳の名前の由来となった金銅製の冠は、全体の形がよくわかる全国でも数少ないものの一つである。写真にあるように、山の字を重ねたような立ち飾り5個を、頭にかぶる部分の輪に鋲でとめて形を作っている。細部の文様は、非常に精巧な打ち出し技法で描き出されている。韓国の慶州の古墳で出土した冠とよく似ており、大陸との強いつながりを示している。前橋市山王町1-13-3MAP群馬県立歴史博物館MAPP.64 C-4P.65 D-2 金冠塚古墳のある一帯は朝倉・広瀬古墳群と言われる県下有数の古墳群だった。前橋天神山古墳(P.34参照)や八幡山古墳(全長130mの前方後方墳)から後期・終末期の小型円墳まで、約150基があった。 出土した冠は現在、東京国立博物館に保管されている。東京国立博物館には、形象埴輪(人物・馬・家など)を中心に、たくさんの群馬県内出土の文化財が保管・展示されている。【 空から見た古墳 】所在地関連施設旧石器時代縄文時代弥生時代古墳時代5世紀【 金銅製冠(復元) 】飛鳥時代7世紀奈良時代【 藤ノ木古墳出土 金銅製冠(復元) 】こんどうせいかんむり朝倉・広瀬古墳群冠の出た古墳 金銅製の冠は朝鮮半島の影響が強く、6世紀後期に流行した。国内では奈良県の藤ノ木古墳の冠が有名だ。熊本県の江田船山古墳では5世紀後半の冠が出土した。関東地方では栃木県、茨城県、千葉県で出土している。東京国立博物館…ぐんまの埴輪山王金冠塚古墳【市】23

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